【忙しい人向け。5行でまとめ】
・アメリカで銃乱射事件が発生
・犯人は、アメリカの掲示板「8ch」を利用していた
・8chの大量の差別書き込みがアメリカで社会問題になり、管理人のジム・ワトキンスが任意で事情聴取
・ジム・ワトキンスは、5ch(旧2ちゃんねる)も運営していた(2014年にひろゆきから乗っ取った)
・アメリカで、5chが規制される。クラウドフレアが規制されたので、日本の5chにも影響がでて、アクセスできない状態になる
2019年8/9。日本最大級の掲示板サイト、5ch(旧2ちゃんねる)にアクセスできなくなった。
現在5chは、ジム・ワトキンスという外国人によって運営されており、ジム・ワトキンスが犯罪教唆容疑でフィリピン警察に指名手配された。ジム・ワトキンスは、フィリピンからアメリカに逃亡した。
5chを運営してるジム・ワトキンスが指名手配された理由は、アメリカで銃乱射事件が最近たて続けに発生し、その原因とされているアメリカの2chを真似た掲示板サイト「8ch」が閉鎖された。8chと5chは、ジム・ワトキンス氏が運営しており、その流れで、日本の5chも閉鎖されるのだという。
ソース:ウォール・ストリート・ジャーナル https://jp.wsj.com/articles/SB11826934813155044895904585476383925454838
5chは、サーバーのアクセス集中を防ぐためにCDNサービス「クラウドフレア(Cloudflare)」を利用している。当サイトも利用している。
しかしこのクラウドフレアから、5chにアクセスできなくなった。クラウドフレアは、8/7に米国の掲示板サイト「8ch」を名指しで批判して、サービスを停止した。
【クラウドフレアが8chのサービスを停止。ヘイトの肥溜めだと批判】
https://jp.techcrunch.com/2019/08/07/2019-08-04-cloudflare-will-stop-service-to-8chan-which-ceo-matthew-prince-describes-as-a-cesspool-of-hate/
8/9。日本の掲示板サイト「5ch」も、同様にクラウドフレアからアクセスできなくなった。8/8には、日本のスマホやwifiから、5chが閲覧できなくなっていた(docomoやau、ソフトバンクが自主規制?)。
【8/10追記】現在は、5chにアクセスできるように復旧されたようです。しかし上記のように5chの現管理人であるジム・ワトキンス氏が、逮捕寸前なので、予断を許さない状況です。
【5ch閉鎖】大手掲示板サイト2ちゃんねるがアクセスできない状態に!
クラウドフレアが停止されたらどうなる?
クラウドフレアは、サーバーの負荷を軽減する時に利用するサービスだ。
通常状態のサイトは、大量にアクセスがくるとサーバーが不安定になり、サーバーダウンする場合がある。
それを回避するために、クラウドフレアなどのCDNサービスで、自分のサイトをクラウドフレアにコピーして、そちらにユーザーをアクセスさせて、サーバーの負荷を軽減する。
Amazonなど大手企業も利用している大手サイトには、必須のサービスだ。
5chのクラウドフレアが停止されると、まずアクセスできなくなる。
5ch側で、クラウドフレアを解除して、自前のサーバーに直接アクセスできるようにすれば、一旦は問題は解決するが、土日やゴールデンタイムなどのアクセスが増える時間帯に、5ch級の大手サイトだと、人が多く来すぎてサーバーダウンする可能性がでてくる。
このサーバーダウンがやっかいで、通常サーバーは、レンタルサーバーと言って、サーバー会社に毎月のお金を払ってサーバーを借りるが(うちのサイトもそう)、サーバーダウンをくり返すと、レンタルサーバー会社から怒られる。1つサイトがダウンすると、同じサーバーPCに間借りしてる他のサイトも不安定になるためだ。
CDNサービスは他にもAmazonなどがやってるので、そちらに移行すればいいが、これは時間がかかる。運営のジム・ワトキンス氏は、現在サイト運営してる場合じゃなさそうなので、このまま5chがフェードアウトする(消えてなくなる)可能性は十分ある。
5ch(旧2ちゃんねる)が閉鎖されたらどうなる?
5chが閉鎖されても、他のコミュニティサイトにユーザーが移行するだけだ。
だがしかし、2ちゃんねるは巨大なコミュニティを持っており、利用者も若い人から高齢者まで幅広い。専門家のスレもあり、日本のインターネット、情報媒体として、他のサイトではとてもではないが代用できない。
ツイッターやYOUTUBEはあるが、「コメントの質」という観点から見ると、ツイッターやYOUTUBEが若い人たちの感情的な短文レスに対し、2ちゃんねるでは、長文の書き込みや質問スレ、時には2ch有志のwikiまで作成されるほど、意識高い系の住人が集まっていた。これらの人材が分散してしまう事になる。
実際問題、今の若い人たちはツイッターやYOUTUBEに移行していて、5ちゃんねるのアクセス自体は減っていたが、それでも「5ch」がなくなると、質の高い情報を得る場所がなくなってしまう。
グーグルで検索しても、しょーもないアフィサイトしか表示されない。5ちゃんねるの専用スレは、そういう人たちの受け皿(最後の防波堤)となっていた。
2ちゃんねるの歴史
あめぞう
5ch(旧2ちゃんねる)の歴史は古く、1996年に「あめぞう」掲示板としてスタートし、あめぞうが荒らしによって潰されると、1999年に西村博之氏が「2ちゃんねる」を開設して、あめぞうから利用者が移行した。
この時の問題は、当時から色々言われており、西村博之氏が「あめぞう」を潰したなどとネット上ではうわさになっていた。
とにもかくにも、当時最大級のネット掲示板サイトだった「あめぞう」が潰されて、「2ちゃんねる」の時代が来た。
2ちゃんねるは、「匿名」で書き込める画期的な掲示板で、日本人の陰湿な性格によく合ってるので、巨大なコミュニティに成長した。
人が増えて犯罪予告書き込みや個人中傷の書き込みが増える
大きくなれば色んな人間が現れて、西鉄バスジャック事件の犯人が書き込んだり、実名で個人を中傷する書き込みが増えてきた。それについて2ch側では、対応が間に合わず、結果として、警察の2ちゃんねるへの介入や、運営者の西村博之氏が裁判で訴えられる状況が続いた。
2009年1月に西村博之氏は、2ちゃんねるの権利をシンガポールの会社「パケットモンスター」に売却。しかし実態は、まだひろゆき氏が2chの運営権を握っていた。ひろゆき氏は、裁判で訴えられていたので、資産差し押さえ対策として、シンガポールの会社に名義変更したと言われている。
はちま、JIN、やらおん、2ch転載禁止
2012年5月。当時、2ちゃんねるの書き込みをまとめて記事にしていた人気サイト「はちま寄稿」「ニュース速報@JIN」「やらおん」について、ひろゆき氏が2chの書き込みを転載する事を禁止する処分を発表した。
2chが乗っ取られる→5chに名称変更
2014年2月。2ちゃんねるにサーバーを貸していたNTテクノロジーのジム・ワトキンス会長が、2ちゃんねるのサーバー料金の未払いを理由にして、2chの運営権を乗っとった。
2014年4月。ひろゆき氏は、違法な乗っ取り行為であるとし、対抗して、2ch.scというサイトを立ち上げた。中身は、2chの書き込みをミラーで反映させるコピーサイトだった。
2015年9月。ひろゆき氏がジム・ワトキンスを、日本で訴えて勝訴。日本国内で「2ch」「2ちゃんねる」という名称は、ひろゆき氏の権利となった。しかし「2ch.net」のドメインの不当占拠は認められず、2chのサイト自体は返却されなかった。ジム・ワトキンスが運営を続けた。
2017年10月。ジム・ワトキンスは、2chの権利を「ロキ・テクノロジー」社に譲渡した。2chから「5ch」に名称が変更された。
【編集後記】
個人的には2ちゃんねる残って欲しい。しかし日本最大級の掲示板サイトを、得体の知れない外人が運営しているのは気持ち悪い。西村博之氏に運営権を戻して欲しい。
2ちゃんねるの代わりがあるなら移行してもいいが、私はそんなサイト知らない。見た事ない。
「漫画村」が潰れた時も、「漫画村シンドローム」と言って、漫画村を利用していた子供たちが一時期漫画村の代わりとなるサイトを探してさまよう様子が確認されたが、「2ちゃんねる」が潰れると、その比ではない。
2ちゃんねるの利用者たちは、今は実感がないだろうが、失って初めて自分が失ったものの大きさに気づくだろう。
(c)2ちゃんねる