2020年5/4追記 NHKニュースについて補足
島牧村では、2018年7月から10月までの間、クマの警戒にあたった地元の猟友会に支払った費用が1000万円余りにのぼったことから「高額だ」などと批判を受け、島牧村の議会は、猟友会に支払う金額を年間で240万円までとする条例を制定しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/sapporo/20200504/7000020823.html
NHKニュースで島牧村の猟友会に、1000万円払っていたと報道されており、
これが猟師1人当たり1000万円もらっているという誤解を生んでいる。
しかしそうではなく、猟友会全員で1000万円を分ける。
今後は、島牧村猟友会(会員数14人)で、年間240万円を分配しろと条例で決まった。
これは猟師1人当たり、1年間17万円である。(240万円÷14人)
島牧村の場所
問題になっている島牧村は、北海道の外れにある。
島牧村のある場所は、北海道旅行に行く際、函館→ニセコ→札幌と移動する時に、まったく通らない。完全な僻地。秘境とも言っていい場所にある。
ハッキリ言おう。
年間17万円で、こんなところに命をかけてヒグマと戦いに行く猟師など、存在しない。
5/5追記 島牧村クマ騒動の問題点まとめ
・猟友会に通常出動2万円、緊急出動3万円支払われていた→ 7000円に引き下げ
・島牧村議会は、猟友会に報奨金を支払わず否決する→ タダ働き
・島牧村猟友会14人で、予算は年間1000万円→ 240万円になる(1人当たり年間17万円)
・猟友会のハンターが死亡した時の保険金2億円→ 300~500万円に引き下げ
・ヒグマ対策のためのハンター育成のための狩猟免許の補助費→ 3分の1にへらされる
猟友会の命の値段は、300万円www
【北海道島牧村クマ騒動】 猟師に日給3万円は高いのか検証してみた
北海道島牧村 で村の議会が猟師に日給3万円(緊急出動3万円。通常出動2万円)を払うのをしぶって、ヒグマが町を荒らし回っているニュース映像が公開された。
島牧村の坂下初雄議員は「(猟師の)努力は認めますよ。払わないと言ってるわけではない」などと開き直りにも近い発言をしていた。猟友会のメンバーは「命をかけてるのに"高い"と言われても。議員に現場を見て欲しい」とインタビューに応えた。
猟友会のメンバーには、7月末から給料が払われていない。命をかけて熊を駆除する猟友会に日給3万円は高いのか、検証してみた。
ニュースでは報道されていない情報
・北海道島牧村 では今年ヒグマが相次いで出没しており、度々ニュースになっていた
・そのたびに、猟友会が出動してヒグマを駆除していた
・この正当な報酬を、北海道島牧村 の村議会は日給3万円は高いと言って支払っていない
・北海道島牧村 には小学校もあり、生徒たちもヒグマを気にしていた
【熊専用ハンターになるには10年かかる。専門職】
・クマを仕留めるには、銃の中でも「ライフル銃」が必要
・ライフル銃は、散弾(ショットガン)を所持して"10年"経たないと所持できない
>ショットガンの有効射程距離は約20m
・ライフル銃の許可は警察署と4ヶ月以上にわたって交渉する必要がある
>警察としては殺傷能力の高いライフルを一般人に持たせなくない
・ライフル銃にかかる費用は、猟銃所持免許(31万円)、狩猟免許、ライフル銃(数十万円~数百万円)、弾薬費(数万円)、保険、会費、維持費。これにさらに免許取得のための試験、講習、警察や猟友会とのやり取りが発生する
【"害獣"クマの被害状況】
・日本の北海道、本州のどの行政でも熊被害について注意を呼びかけている
・熊は、毎年1万件近い目撃情報がある(行政に報告があったやつのみ)
クマの生態
https://youtu.be/5mO9cKJezyI
・今回問題になっている北海道島牧村は、ヒグマが出没している(ツキノワグマではない)
・クマは朝方、夕方の薄暗い時間帯に活発に活動する
・クマが足が速い(時速50km)事はよく知られているが、山の急斜面を高速で移動できる事はあまり知られていない
・クマは背の高い笹薮を踏みたおしながら走れる(人間だと1歩進むのも一苦労)
・クマは木登りが得意。木に登って枝を器用に折りながら食事をする
・クマは泳ぎも上手
・クマの嗅覚は、犬の21倍
・聴覚優秀
・視覚は人間程度。色を判別できる
・固い皮膚は、有刺鉄線を気にしないほど
・垂直のカベを登れる
・クマは食う事しか考えていない。食い物のにおいをかぎつけると、しつこく執着する
>クマによって4人死亡した秋田県の「十和利山熊襲撃事件」(2016年)でも、雌熊はハンターに囲まれても死体(食い物)からはなれようとしなかった
・クマはベジタリアンではない。雑食で何でも食う
・ツキノワグマ(体長1m)の皮膚は、固い岩に皮をかぶせた感じだった
・ヒグマの皮膚はさらに固く、普通のナイフでは歯が立たない
一般人がどうこうできる相手ではない。クマは生物として、ハンターとして極めて優秀。
車の中でも安全ではない。クマは窓ガラスをやぶれる
長野県乗鞍岳バスターミナルのクマ襲撃事件(2009年)では、熊を小屋の中に閉じ込めたが、熊が窓ガラスを割って脱出している。熊の怪力を考えれば当然ではあるが、この事実は車内や家の中でも、熊が窓ガラスをやぶって入ってくる可能性がある事を示している。
クマがかわいそう、共存できる、戦えば勝てるなんて言ってる人たちに見てもらいたい動画
体長1m程度の熊に、農家の男性が顔をかみつかれて、顔の皮をはがされている。人間はこんな事しない。まわりに大勢の人間がいるが、まったく気にしていない。食う事しか考えていない。
熊や猿などの野生動物は、人間のように手加減して攻撃したりしない。まず顔にかみついて鼻や耳、唇などをかみちぎり顔の皮をはいで、相手の戦意を喪失させる。
特に熊は山における食物連鎖の頂点なので、何も怖がらない。車でクラクションを鳴らそうがまったく気にしないほど図太い性格をしている。
こんな化け物と田舎の人達は身近に暮らしているのだから、「クマがかわいそう」なんて冗談でも言ってはならない。
クマを狩るのは命がけ
クマは1発で確実に仕留めないと、手負いクマとなり、凶暴性が増して人や家畜を襲いだす。
時速50kmで草むらに隠れながら急斜面を移動してくる真っ黒い物体を、銃で正確に狙撃するのは簡単ではない。まさに命がけだ。
https://youtu.be/Ycejz0E_IU0?t=40s
上の動画は、人がいない熊が出没する山奥に入っていく日本の猟師。日給3万円で誰もやりたがらない専門の仕事を請け負っている。命をかけてるのに、割に合わない。
猟友会の猟師たちも同じ人間
(上の動画は、北海道知床半島の猟師の生活に密着したドキュメンタリー。フル動画版はこちら)
日本における猟師の数はへる一方であり、現在猟友会に所属しているのは高齢者がほとんどだ。このままいくと日本の猟師(マタギ)は絶滅するだろう。増え続けている熊の"絶滅"を叫ぶより、人間(猟師)の絶滅を防ぐのが、人としてあるべき道ではないのか。
車上生活して見えてきた日本の実態
私は現在車上生活をして、日本各地の山奥で暮らしているが、実際に生活してみると都会で生活している時には知りえない事が分かってきた。
・日本は自然が破壊されている。山の生物たちは居場所がなくなり、町に降りてきている→ この説は大ウソ
・日本の田舎は高齢化が進んでおり、都会に人が集まって、田舎はカソ化が進んでいる
・田舎は高齢者ばかりで草刈りすらできていないのが実情。野山は人の手がまったく入らず荒れ放題、原生林のようになっている
>熊はひらけた場所が苦手。笹薮などの背の高い草むらを隠れるように移動する
・人の手が入っていない野山は野生動物たちにとって楽園となり、熊、鹿、猿、猪など害獣が増え続けている
【行き過ぎた"人間軽視"の動物愛護】
・熊や猪などの危険な害獣を駆除すると、「かわいそう(笑)」などと、現場の実態を知らずに役所などに抗議の電話をする輩がいる
・熊を餌付けしている「熊森協会」など、頭のおかしい動物愛護団体が日本国内で堂々と活動している
人食い熊被害 もはや熊除けの鈴は通用しなくなったのか
(車にはねられてもピンピンしているクマ)
【日本クマネットワーク代表の大井徹氏の発言】
http://news.livedoor.com/article/detail/11651880/
「熊が人の住む里に下りてくる理由として、“自然破壊で山に餌が少なくなったから”とよくいわれますが、むしろ逆です。戦後しばらくまで人は里山で薪や炭を取ったり、畑を作ったりして、“ハゲ山”に近い状態のところも多く、動物にとってはすみ心地が悪かった。ところが近年は地方の過疎化などで里山は利用されなくなり、森林が回復、熊にとってもすみやすい環境になっています。そのため都市部の近郊まで活動範囲が拡大し、被害数や目撃数が増えていると考えられます。決して秋田の森の中だけの問題ではありません。
熊は基本的に植物を食べますが、簡単に得られる栄養価の高いものがあればそれを食べるようにスイッチできる、順応能力の高い動物です。それが人間だったら、人間を食べるようになる。秋田の惨劇はどこででも起こりうるのです」
山で農業をしている主婦の体験談
http://asay.hatenadiary.jp/entry/20101031/1288453644
熊の肩と腕は、骨が引っかかっていません。筋などでつながっていて、その重い腕を振って遠心力でなぎ倒すんです。その力で真横からハタかれると、柔らかな人の顔というものは、目玉と口と鼻の穴を残して、きれいにはぎとられてしまうんです。太くて長い腕を広げて立つクマが、うちの周りにいるんです。
田んぼに まこもの刈り採りに行く時、必ず水神様に手を合わせて、「クマが近くに居たら、帰るように伝えてください。」と拝んでいます。それでも、葉のざわめきに、跳ねる水の音に、息がとまる…。
早朝に 主人が刈り入れに行く時は、泣きたいほどに恐ろしい気持ちになる。私たちは山も田んぼも捨てられない。
都会の人間は、クマの恐ろしさを何も分かっちゃいない。無知すぎる
クマがかわいそうとか、猟友会のハンターに日給3万円だせない人たちは、北海道中央部の山間部のクマ出没地域で1日でいいから1人でキャンプしてみろと。次の日には考えが変わるはず。
クマがほとんど出没しない都会の人間が、クマと隣合わせで生きている山間部の事情を知りもせずに、あれこれ言うべきではない。
(c)クマ