オトメイトがPS Vita を切って、スイッチ1本にしぼる理由を社長自ら説明していた。「世界中でPS Vitaの市場がどんどん閉じてしまっている」「スイッチに乙女ゲーを根付かせないと今後、確実に厳しい事になる」「スイッチを持っていない方に、PS4と同じ金額のスイッチを買って頂くのは難しい」
ソニーがPS Vita を切ってるのはまさにその通りで、プラットフォームホルダーとしての責任を果たせていないと思うし、Vitaユーザーを責任を持ってPS4に移行させる施策が必要だった。それをやらないから携帯ゲームユーザーが、スマホやスイッチに流れてしまっている。
しかしそれでなぜオトメイトがスイッチ独占に走るのかは理解できない。スマホでいいと思うし、PS Vitaで今まで乙女ゲーを展開してきたのだから、PS4に移行する方が自然だ。
2018年9/27にスイッチで発売された「ノルンノネット」は、初週1000本以下*1で爆死した。PSP版は、初週2.1万本。Vita版は、6800本だった。
女性ユーザーをバカにしているのではないか。今までVitaで展開してきたのに、これから新作はすべてスイッチで出します、だからスイッチを買って下さいと、今まで買い支えてきたユーザーを切り捨てるような事をして、評価されるとはとても思えない。
(最近のゲームは女性同士のラブシーンだってある。上の画像は2018年10/5発売アサシンクリード・オデッセイ)
女性ユーザーは別に乙女ゲーだけをプレイしているわけではない。ドラクエだってやるし、コールオブデューティーや、アサシンクリードもやる。この前アサシンクリードの前作のストーリーについて批判したらコメントで烈火のごとく怒られた。それくらい女性、男性関係なく、ゲームに対して本気なのだ。
いくらオトメイト作品のファンだろうと、そのためだけにスイッチ(本体32,000円+SDカード+ACアダプタ+コントローラー)を買って下さい、ほぼ必須の周辺機器を買ったらPS4より高くなるのに、それをユーザーに強いるのは、価値観の押しつけではないのか。
*1:初週50位まで表示される電撃の売上ランキングに、スイッチ版「ノルンノネット」はランクインしていなかった。50位は989本。それ以下の売上となる。
オトメイトの乙女ゲースイッチ独占は、女性ユーザーをバカにしている
オトメイトの乙女ゲースイッチ独占宣言
【オトメイト×Nintendo Switch】
本日発売の「電撃Girl'sStyle」6月号では、表紙と共に「オトメイト×Nintendo Switch」展開のより詳しい情報や書き下ろしショートストーリー、スタッフコメント、Nintendo Switchの紹介マンガなど充実の内容!! こちらも是非ご確認下さい!!#オトメイト pic.twitter.com/AlkW7i5PrI— 【公式】オトメイト (@OtomateWeb) May 10, 2018
電撃ガールズスタイル2018年5月号で、乙女ゲーブランドトップシェアのオトメイトが今後PS Vitaを切って、スイッチ1本にしぼる。スイッチに12本新作をリリースすると発表した。
表紙には、男性キャラクターたちが笑顔でスイッチを持つ姿が確認できる。同じような宣伝をバルセロナの選手たちもやっていた。任天堂の宣伝戦略なのだろう。
露骨なステマ。
オトメイトがスイッチ1本にしぼる理由が、説明になっていない
佐藤嘉晃氏(アイディアファクトリー社長):
世界中でPS Vitaの市場がどんどん閉じてしまっている現状があり、乙女ゲーをスイッチに根付かせないと今後、確実に厳しいことになる。実際問題として、持っていない方にそれなりの金額のスイッチ(4万円弱)を買って頂く、ソフトメーカーとしては難しい。
ゲーム会社としては、新しく出たハードに挑戦するのは当たり前だと思っています。ただ、マーケットがないのに参入するわけにはいかないというジレンマもありますね。男性ユーザーと違い、ハードを買い揃えている女性ユーザーはそう多くはないと思います。オトメイトはPS Vitaの旗振り役としてやってきましたから、そうおいそれと簡単に移って頂けないこともわかっていました。
そこまで分かっていてスイッチに移籍する理由が分からない。
アイディアファクトリー社長の佐藤氏の言い分を聞くと、PS Vitaの市場が縮小している、それは分かる。完全に同意する。それでなぜスイッチなのか、まったく説明になっていない。PS4はどこいった?
なぜPS Vita、PS4、スイッチのマルチ展開じゃダメなのか。
for Nintendo Switch = 買取保証
2018年4月に任天堂によるゲームの買取保証が、日本一ソフトウェア・アメリカの山下社長により暴露された。
日本一ソフトウェア・アメリカ(NISA)山下社長:
もともと私達とSNKは、「SNKヒロインズ」をPS4で出す予定でした。昨年、Gamescomの会議室で任天堂と話し合いがあり、1つはNISAと任天堂ヨーロッパ(NOE)、もう1つはSNKとNOEの間で行われました。その後、SNKに影響力のある人がブースに来てこう話しました。『山下さん、PS4をキャンセルすることは出来ますか?任天堂が独占的に取り組んでくれます!』
結果、NISとSNKチームは任天堂と共に欧米市場へ行く事になった。パッケージ版はスイッチ独占になるでしょう。PS4版はDLのみ。これは取引です。PS4版のパッケージは出しません。
その後任天堂はこのゲームの代理店として、多くのソフトを購入すると約束してくれました。彼らが保証してくれる本数については秘密なので明かすことは出来ません。」
http://blog.esuteru.com/archives/9089947.html
任天堂の買取保証を暴露したNISアメリカ「これからどんどんスイッチにゲームを移植する。これが新戦略だ」
for Nintendo Switch とタイトルについたゲームは、任天堂による買取保証の対象ゲームと言われている。
薄桜鬼 真改 風華伝 for Nintendo Switch
Code:Realize ~彩虹の花束~ for Nintendo Switch
NORN9 LOFN for Nintendo Switch
AMNESIA for Nintendo Switch
レンドフルール for Nintendo Switch
ゆのはなSpRING!~Mellow Times~ for Nintendo Switch
猛獣使いと王子様~Flower & Snow~ for Nintendo Switch
華ヤカ哉、我ガ一族 モダンノスタルジィ for Nintendo Switch
華ヤカ哉、我ガ一族 幻燈ノスタルジィ for Nintendo Switch
「つねに最高を求めて挑戦しています」ならなぜPS4でやらないのか
佐藤嘉晃氏(アイディアファクトリー社長):
乙女ゲームにおける美しさ・楽しさ・おもしろさ・泣けることも含めて、つねに最高の体験を求めて挑戦しています。乙女ゲームのシステムはすごくシンプルなものなので、そこに体験を求めるとなると、2Dビジュアルのキャラクターデザインをどう表現してどう見せていくのか。そこを極めることをつねに心がけています。
低スペックのスイッチより、PS4の方が開発がやりたい事ができるはずだ。
スイッチで最高のゲーム体験ができるとでも言うのか。
アドベンチャーゲーム はまだ進化の余地がある
(ザンキゼロ スパイク・チュンソフト 2018年・PS4)
例えば、ザンキゼロでは、会話シーンに3Dモデルを採用して会話中キャラクターがグリグリ動く。アドベンチャーゲームの退屈な会話シーンをキャラクターを「動かす」事によって、飽きさせないような作りとなっている。
(うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live 2018年・スマホ)
同じような試みは乙女ゲーでも採用されており、うたのプリンスさまでは、Live2Dを使用して2Dイラストをこまかくパーツ分けしてそれぞれ動かす事で、会話シーンで男性キャラがアニメの1シーンように動く。
オトメイトが常に最高の体験を求めて挑戦するというのなら、こういった最新技術を貪欲に取り入れて、アドベンチャーゲームの乙女ゲーの未来をユーザーに示すべきだろう。
そのためには子供だましのスイッチではなく、PS4で本気で作って欲しい。
【10/24追記】乙女ゲーシェアトップだった"オトメイト"がスイッチに移籍したので、今までPS Vitaで乙女ゲーを買っていた客層をねらって早くも争奪戦が起きている。スパイク・チュンソフトはは2019年に「喧嘩番長・乙女2」をPS Vitaで発売する。コーエーテクモはVitaで乙女ゲーのセールを開催中だ。
人から評判を得るには20年かかる。だが、その評判はたった5分で崩れる ーウォーレン・バフェット
オトメイトが話題になっているので、2chのオトメイトスレをのぞいてみた。なんと意外な事に"意識高い系"情強ユーザーたちの集まりだったw「どうせ1年後にPS Vitaで完全版がでる」「VitaダメならPC版買う」任天堂がだませるような情弱ユーザーじゃなかったw
(c)オトメイト / アイディアファクトリー