もし皆さんがこの動画を見ているという事は、私は再び拘束されて拘置所の中でしょう。
私は4月11日に記者会見を予定していました。それができなくなった今、この動画を通して、私のメッセージや皆さんの疑問にお答えしたいと思います。
初めに、私は「無実」です。
私は1月の法廷でも同じように主張しました。
そして、私への事実無根の誹謗中傷、「強欲」「独裁者」だという報道について、これらは全くのデタラメです。
私を強欲、独裁的な人物だと印象づけるために、私の過去の発言を文脈から切り離したり、偏見に基づいて、ゆがめられて報道されています。
金融商品取引法、新生銀行との違法な契約、ジュファリ氏に不正な報酬を支払った等という疑いが持たれていますが、私は一貫して「無罪」を主張しています。
108日間、拘置所に軟禁されていましたが、私の「無実」という主張は変わっていません。
私は、日本という国を愛しています。私は1999年に日本を訪れ、日産の立て直しのために尽力してきました。
日本を愛してないなら、20年間、日産の社長を務めるなどできなかったでしょう。
この思いは、この数ヶ月起こった厳しい試練を経た後でも、少しも変わりません。
次に今起きてるのは「陰謀」だという事です。
これは単に私の個人的な事件などではありません。言われてるような「強欲」「独裁」などではありません。
今起こってるのは「陰謀」「謀略」「中傷」です。
なぜこんな事が起きたのか。
それは私を陥(おとしい)れた人達が、日産とルノー(フランス)のアライアンス(同盟)の次のステップ、統合、合併に向けて進むことに、「恐怖」を感じたからです。
彼らは、日産の独立性が脅かされると思った。
しかし事実は違います。私は日産の社長に就任してから19年間、日産の独立性を最も強力に守ってきました。将来、日産とルノーの関係がどう変化しても、日産の独立性は保ち続けると明確にしてきました。
当然、この独立性は業績に支えられたものでなければなりません。
現在、日産の業績が大きく低下しています。この2年で3回の業績の修正があり、何度も検査問題などの不祥事がありました。
しかし起きた問題への対処の仕方が悪く、会社の信頼を失ってしまった。
問題が解消してないのに、現経営陣は解決したと宣言した。これは日産の現経営陣に問題があるという事です。
現在は裁判中なので個人名は明かせませんが、みなさんがよくご存知の人物です。数名の日産の幹部が、自分たちの利益のために、また自分勝手な「恐怖」を抱いたために、今回の事件が起こりました。
今回の汚い企みを実現させた、多くの仕掛け人の名前を私は挙げる事ができます。
真相や事実が明らかになる事を願っています。
業績が低下してるのに、ビジョンもなく何もしない日産の経営幹部を見てると、悲しくなります。本当にうんざりします。
リーダーシップと独裁は違います。必要な時には、会議で時間を浪費するのではなく、リーダーシップが必要になります。これは日産のような巨大な組織には必要なことです。
最後に、私の切実なお願いがあります。
私が最も強く望むのは、「公正な裁判」です。
私は優秀な弁護士3人に弁護してもらっていますが、彼らから「裁判の公平性」について安心できる情報を提供してもらえていません。
本当は4月11日の記者会見で皆さんの多くの疑問にお答えしたかった。それができなかった事を申し訳なく思います。
将来、それが叶う事を願っています。
2019年4/9、日産の元会長カルロス・ゴーン氏のビデオメッセージが公開された’(上の動画)。動画でゴーン氏は、自分は「無罪」、「これは陰謀です」と話した。
ゴーン元会長「私は無実。これは陰謀だ。合併を恐れる人達がいる」
カルロス・ゴーン氏の釈明動画を見たが、とてもではないが、犯罪者には見えない。
ここまで理路整然と話して、ハッキリ「無実」だと言ってる社会的に地位のある人物を、3ヶ月以上(108日間)にわたって違法に勾留している、東京地検特捜部(アメリカの犬)の方が、俺はおかしいと思う。
カルロス・ゴーン氏は、今回の自分が不当に勾留されている件を、「陰謀」だと説明した。そうだと思う。その理由を説明しよう。
カルロス・ゴーン氏は、もともと4/11に記者会見に応じる予定だった。
しかしそれをされたら困る東京地検特捜部は、4度目の逮捕にふみきり、強引にゴーン氏の身柄を拘置所に移した。これはゴーン氏に余計な事を話されたくないという事だ。つまりやましい事をやってると認めたようなものだ。
ゴーン氏をその動きを察知し、自分が再逮捕された時のために、ビデオレターを撮影しておいた。
これすら気に入らなかったのか、4/9のゴーン氏のビデオメッセージ動画公開前に、なぜか「新紙幣の発表」があった。メディアや報道各社は、こぞってそちらを取り上げた。
ゴーン氏の釈明ビデオは、「新紙幣のニュース」にかき消された。
これを君たちは「陰謀論」「妄想」だと言うかも知れない。
しかし「新紙幣のニュース」がいつ発表されたかを知っているだろうか。
私はリアルタイムで見ていて新紙幣の記事も上げたが、4/9の深夜0時に発表された。普通では考えられない時間帯だ。深夜0時に、大手報道各社(NHK、毎日新聞など)が一斉に「新紙幣のニュース」を報じ始めた。
最初はみんなウソだろと思ってたくらい不自然な報道だった。
朝になりこのニュースに気づいた一般人たちは、「新紙幣」の事をネットで調べて、「新紙幣」がグーグルやツイッター検索などで、検索ランキング1位になった。どのネットメディアを見ても、4/9は「新紙幣のニュース」一色だった。ゴーン氏の釈明会見はかき消された。
こういう事を言うと「頭がおかしい」とか言う理解力の足りない人たちがいるが、そこまで考えるべきだ。
何も考えなしに政府が、深夜0時にスクープを報道するのか。0時に一斉に報道が始まったという事は、これはプレスリリース(宣材)を政府が各メディアに配って、深夜0時に報道して下さい、と頼んでるわけで、なぜその日、その時間を選んだのか。何も意味がないわけではない。何かしらのメッセージが込められている。
それを考える事は恥ずかしい事ではない。「陰謀論」結構なことだ。何も知らないという事は幸せだ。
日本人全員がカルロス・ゴーンは悪いやつだ!日本のネットメディア全部がゴーンは陰謀論者の被害妄想野郎だ!こんな偏ったモノの見方は間違ってる。
ケンカでは片方の意見だけを聞くのではなく、両方の意見を聞け。推定無罪。これは子供の時に教わったはずだ。
なぜみな同じ事しか言わないのか。なぜみな疑わないのか。
ゴーン氏の妻キャロル氏が日本を脱出したのは正解。残ってたら何かしら因縁をつけられて、ゴーン氏のように拘束されていただろう。実際に、キャロル氏のパスポートや携帯電話は没収された。キャロル氏は、アメリカのパスポートを使用して命からがら日本から脱出した。空港まで駐日フランス大使館員が同行したという。
キャロル氏が、フランス政府に働きかけているのも正解。日本は外圧に弱い。日本人は無関心だから、これからゴーン氏がどれだけ不当な裁判を受けても、誰も興味すら持たない。
フランスで現状を打開するしかない。日本に公平な裁判を求めるなどナンセンスだ。
(c)カルロス・ゴーン