ラヴアール を先ほど全クリした。最初は買う予定なかったのだが、プレイ動画を見て「あっこれ面白そうだな」と思い、急いでダウンロード版を購入した。それから10時間ぶっ続けでプレイして、今凛世ルートを全クリして、この記事を書いている。
ストーリーや3Dモデリングは一流とは言えない。しかしこの「ラヴアール」というゲーム、ものすごく丁寧に作られている。「作品愛」をひしひしと感じる。
恋愛ゲームなんてと馬鹿にしてた20年前、トゥルーラブストーリーをプレイしてこんなに面白いゲームがあるのかと感動した、あの体験をまさか2019年に再び感じる事ができるとは思いもしなかった。
全クリしてスタッフロールを見たが、ラヴアールのスタッフは、10数名しかいなかった。アートディレクター兼3Dモデリング兼3Dモーション:九印氏と表示された時、この「ラヴアール」がどれだけ苦労して制作されたか、スタッフの気持ちを考えると絶句した。ラヴアールの前作「レコラヴ」の開発会社ディンゴは2018年に倒産している。しかし恋愛シミュレーションゲームを作りたいという情熱が、ラヴアールというこの「平成最後の恋愛シミュレーションゲームの傑作」を生み出した。
ラヴアール を全クリした感想、レビュー
会話やイベントシーンで女性キャラが動く
ラヴアール の登場キャラクターは、3Dモデルで作られており、動きは実際の人間をトレース(モーションキャプチャー)して作られている。技術的には、今流行りの「Vチューバー」を考えると分かりやすい。
YOUTUBEの「Vチュバー」動画のようにヌルヌルと動く女性キャラは、見ているだけで楽しい。
フルボイス、すべての会話シーンで動く。全クリまで見たが、一切手は抜いていなかった。最初から最後まで、上の画像のようにキャラクターがグリグリ動く。
撮影シーン
ラヴアール の最大の特徴が、撮影モードだろう。
カメラで撮影して何が楽しいの?と思っていたが、実際やったらハマってしまった。
ただR1ボタンを押して撮影するだけではない。女性キャラに「かわいい!」「こっち向いて」「笑って」などと会話しながら撮影する。キャラクターはそれに反応(リアクション)する。笑ってと言ったら笑うし、笑うだけでも5種類ある。「怒って」とか、こっち向いて「さげすんで」とか、一部の男性が喜ぶようなアクションも豊富に用意されている。
女の子の気分がのってきたら(好感度ゲージが上がったら)、セクシーポーズをお願いする。
「色っぽい」と言えば、顔を赤らめながら「そんな事ないよ」と反応する。そのやり取りは、カメラマンとグラビアモデルのようだ。
ここに写真は載せないが、スカートの下まで(スキル:ローアングル)カメラを入れる事が可能だ。買って損はしない。
スタック会話(新・下校会話)
トゥルーラブストーリーと言えば、「下校会話」が有名だ。(注。ラヴアールのプロデューサー、杉山イチロウ氏はトゥルーラブストーリーの開発者)
ラヴアールに下校会話はないが、キャラクターに話しかけると「スタック会話」が始まる。
このスタック会話、下校会話に勝るとも劣らない。最初はパズル?と思ったが、全然ちがった。ただ1、2、3種類の絵柄を選んで会話するだけ。すぐになれて1度もミスらなかった。
かんたんだが、ぷよぷよのような「絵柄の連鎖」があり、ただの会話なのに飽きさせない。良いシステム。下校会話の代わりとして十分機能している。
同じ絵柄を集めると「さわる」「にぎる」などのアクションが発生し、同じ絵柄で会話をすると「フリーイベント」が発生するなど、会話とゲーム性がうまく結びついている。これはすごい!
豊富なイベント、ボリューム
冒頭でも言ったが、凛世というキャラクター1人全クリするのに約10時間かかった。その間に、不快な作業プレイなどはなかった。ただ純粋にボリュームがある。
ラヴアールは、夏の2ヶ月間の物語なのだが、2ヶ月と言っても60日近くあり、1日に4回自由行動がある。その間、バイトをしたり、好きな子と写真撮影など、自由に行動できる。特に縛りはない。
海に行き、夜の公園で会い、ゲーセンで遊び、遊園地でデートする。青春がすべて詰まっている。
イベントシーンでは、カメラを動かして撮影する事もできる。
クリア後まである
全クリすると、「ラヴァーズデイズ」というクリア後モードをプレイできる。これがすばらしい!よく分かってる!
ほとんどの恋愛ゲームは、恋愛するまでの「過程」を描いており、告白して恋人同士になってエンディングというパターンが多い。
しかしこれでは、恋愛の「プロローグ(序章)」に過ぎない。恋人同士になってから、どうなったかを見たいのに、途中で終わってしまっている。
ラヴアールは、恋人同士になってからの後日談まで描けている。恋愛ゲームとしてすごく丁寧な作り。
攻めてる
最近のPS4ゲームはやれ規制だの、ポリコレだの、辛気臭い話が多い。ほとんどのメーカーが規制にビビって、自主規制する中、ラヴアールは攻めている。
確かに「見せパン」だが、それはカメラを自由に動かせるので仕方がない。DLCで普通のパンツを別コスチュームとして配布すれば対応できる。
それ以外は、ラヴアールは攻めている。JSと本気で恋愛できるゲームを、このご時世にプレイできるとは思っていなかった。並の開発者ならビビって、JSなんて出さないだろう。
カメラを自由にスカートの中まで撮影できるし、他のメーカーはこんな事してくれない。そうとう攻めてる。
ユーザーフレンドリー
例えば、ラヴアールのスタック会話システムは、やろうと思えばもっと難しくできたはず。
例えば、ラヴアールには「サマーコイン」というゲーム内のお金があるが、これをもっと入手しづらくできたはず。
しかしラヴアールは、そんな事をしなかった。スタック会話はかんたんだし、サマーコインも「水着」以外は、すごく安い。チャレンジ要素もすぐ埋まるし、トロフィーですらかんたんだ。
DOA6が設計図をユーザーに集めさせて時間稼ぎしてたのとは、正反対。ユーザーフレンドリーなゲームだと言える。
ラヴアール のプレイ動画
(c)Sweet One / カドカワゲームス