動画工房のアニメが好きで、毎週なめまわすように何度も見ている。それほど熱狂的なファンなのだが、アニマエールは微妙だった。3話くらいでギブアップした、なぜか。
アニマエールは、百合ギャグアニメの本質が分かっていない。
アニマエール が失敗した理由
アニマエールは、チアリーダーを目指す5人組の百合ギャグアニメだ。
部活動をする女性5人組の百合ギャグアニメは、よく見るテンプレ構成で「けいおん」や「ゆるゆり」も同じジャンルに入る。
この手の百合ギャグ(日常系)アニメは、男性女性共に支持されており、毎シーズン必ずこのジャンルのアニメが放送される。
個人的に見ても、非常に見やすい。私は30代のおっさんなのだが、ふだんアニメを見ない、アニメを卒業したおっさんが見ても楽しめる。難しいストーリーや設定はなく、仕事帰りでつかれていても、気楽に笑いながら楽しめる「清涼剤」のようなコンテンツだ。需要がある。
百合ギャグアニメは、マジメに部活動しちゃダメ!
アニマエールは、毎週チアリーディングのフォーメーションや技を解説しながら、主人公たちがおぼえて、客の前で披露(ひろう)する。
つまり、マジメに部活をやってるわけ。これはよくない!
百合ギャグ(日常系)アニメは、マジメに部活をやってはダメなのだ。
けいおんで、ゆいたちが毎週マジメにギターやドラムなど、軽音楽部の練習をしていたら、それはユーザーが見ておもしろいだろうか。
ゆるゆりで、あかりたちが毎週マジメに部活動をしていたらおもしろいだろうか。
部活はファッション
けいおんでは、軽音楽部としての活動ではなく、毎日お茶とお菓子を食べてしゃべっていただけだ。
ゆるゆりでは、部活ではなく、仲が良い者同士集まってしゃべっていただけだ。こいつらは部活なんてしていない。
ばくおんも同じで、バイク部なのだがレーサーを目指すとかかたっ苦しい話ではなく、バイクの免許取ってみんなでドライブみたいなゆるふわ系に描かれている。
視聴者が求めているものはそれであり、アニマエールのようなチアリーディングの解説(スポ根)アニメではない。
アニマエールはマジメすぎる
「バイクは馬鹿にしか乗れん!お前は馬鹿だからバイクに乗る資格がある!」
上のセリフは、ばくおん!第1話のモジャが言ったセリフだ。バイクに乗るやつは馬鹿だと、バイクアニメの第1話で言い切っている。このばくおん!はスポンサーに、ヤマハ、スズキ、カワサキ、ホンダなど大手企業がついてる。バイクは雨の日乗れないし、冬は寒いし、スズキはダサいとまで言ってる。しかしこれらはすべて事実だから、本音だからユーザーの共感を得るのだ。
アニマエールで「チアリーディングしてる女子ってなんか必死だよね」「ダンス部の方が良い」みたいな、そういう本音、自虐トークが聴けたなら評価するが、そういう共感を得るような、はっちゃけるセリフが一切なかった。眠くなる。
マジメっ子って見ててすげえつまんない。
意外性があるから面白いのだ。
アニマエールは、うちのメイドがうざすぎる!と同時期に放送された
アニマエールとうちのメイドがうざすぎる!は同じ「動画工房」が制作している。どちらも2018年秋スタートのアニメで、同時期に制作されており、うちのメイドがうざすぎる!の方が完成度が高い。
これでは、アニマエールは2軍が制作したと言われても仕方がない。
うちのメイドがうざすぎるは、この記事で指摘した「ギャグアニメはマジメにやらない」「意外性」どちらも満たしており、なおかつ最も重要な「第1話のつかみ」にも成功している。
片目の変質者が電信柱につかまって幼女の家をのぞいていたり、子供の体操服を来てバッキバッキの腹筋を見せつけてくるなど、事前情報一切なしでただのメイドアニメだと思って見たら、爆笑間違いなしだろう。意味が分からない。だから興味を持つのだ。
(c)アニマエール