中国開発のアビス・ホライズンが、日本の人気ゲーム「艦これアーケード」をパクったという記事を読んだ。またかと思った。
しかし調べてみると、艦これはスマホで展開しておらず、そのスキを突いて、中国企業が「艦これ」をパクったスマホゲー「アズールレーン」、今回の「アビス・ホライズン」を展開して人気を博している。
ユーザー側もブラウザゲーの「艦これ」、金のかかるゲーセンの「艦これアーケード」より、手軽にスマホでできる「アズールレーン」や「アビス・ホライズン」を、中国のパクリゲーだと知りつつも支持している。
なぜこのような事が起きるのだろうか。
なぜ艦これアーケードは、アビス・ホライズンに負けたのか
日本社会は談合社会だ。日本の大企業はほとんどがカルテル(企業連合)を組んでいる。
【ソース】
蓄電池カルテルで 日系企業に罰金330億円(2018年3月 産経)
日本企業4社に制裁金 自動車部品でカルテル(2017年11月 日本経済新聞)
検索すれば山のように出てくる。
カルテルとは、複数の企業が連絡を取り合い、商品の価格や生産計画などを共同で取り決める行為。競争がなくなり、より良い商品、より安い商品につながらないので違法とされている。
日本のゲーム業界は談合社会
日本のゲーム業界も同じで、艦これがそんなに人気で、艦これがスマホで展開されていないのなら、似たようなゲームを国内で開発してスマホで発売すれば人気がでたはず。実際に中国企業が、艦これをパクってスマホで発売して人気商品となっている。
なぜこれが国内でできなくて、中国ならできるのかと言えば、日本企業がカルテルのような横のつながりを意識して、互いに遠慮しあってるせいだ。
しかしそれは競争をうまない。消費者はスマホに「艦これ」を求めているのに、そのユーザーの声を何年もひろわずに、放置していた結果が、今回の「アビス・ホライズン」ではないのか。
アビス・ホライズンはよく出来てる
ふだんプレイステーション4(PS4)などのハイスペックな家庭用ゲーム機でゲームをプレイしている私から見ても、今回の「アビスホライズン」は、よくできてるなと、スマホでここまで快適にアクションできるのかと、動くのかと、日本人が好きそうなキャラデザまで、しっかり市場調査までしてきてるなと感心した。
PS4で2018年6/21に発売された「Newガンダムブレイカー」より、はるかによく出来ている。少し戦闘が単調だなとは思ったが、まあそこはパクリ元の本家も同じなのだろう。
グローバル社会では、日本的なカルテル(談合)や、自粛は通用しない
スマホやスマホゲー、家庭用ゲームもそうだが、国内のユーザーだけではなく、海外のユーザーや海外展開を考えるのが当たり前となっている。
その時に、日本的な同業他社に遠慮して、良いアイデアならパクればいいのに自粛してしまう。そして海外に先を越される。このような事をいつまでくり返すのか。
国内のPS4ゲームは、CEROのせいで表現を規制されている
プレイステーション4(PS4)や家庭用ゲーム機にはCEROという、レーティング団体がおり、この団体の審査を受けなければ、日本国内では販売できない(流通が取り扱わない)。
このCEROというのは、スマホにはおらず、それが今のスマホゲーの表現の多様さと、PS4などの表現の自由の差となっている。
例えば、今回問題となっているスマホゲーの「アビス・ホライズン」には、水着姿の色っぽい女性たちが多数登場している。これを、PS4などの家庭用ゲーム機で発売しようとすると、このCEROという利権団体が、ストップをかけるか、Z指定して宣伝できなくするなど、実質的な表現の規制を行う。
お色気要素は、映画、ドラマ、マンガ、アニメにも、およそエンターテインメントと呼ばれるものには欠かせないものだ。それが家庭用ゲーム機でだけ、このCEROという利権団体が表現を規制し続けており、それが国内の家庭用ゲーム機の自粛ムードの原因なのは明らかだ。
PS4でもお色気要素のあるゲームはあるが、それらはCEROによりZ指定(18禁)の烙印を押されて、宣伝ができず、売上が期待できない。
スマホゲーでできて、なぜ家庭用ゲーム機でできない?
スマホゲーではパン○ラが許されるのに、なぜもっと年齢層の高いユーザーの多いPS4のゲームではパ○チラすると暗転、鉄壁ガードなどするのか。
そのくらいのお色気要素は、少年雑誌ですら認められいる。CEROがやっている事は表現の規制に他ならない。
企業同士でなれあって海外に先を越され、中国に美味しいところを持っていかれる日本のスマホゲー業界。CEROという利権団体に牛耳られて表現の自己規制を強め、自由なスマホゲーに客を流す家庭用ゲーム機業界。この先にあるのは縮小しかない。
(c)アビスホライズン