・女性向けのキャラデザは、男性ユーザーには受け入れられない
先日、コーエーテクモからPS4で発売される「真・三國無双8」のキャラクターが新たに公開された。その公開された画像を見て、まっさきに思ったのが、"キモい"だった。
最近のゲームでは、女性ファン向けに美形の男性キャラが必ず登場する。FF15や、蒼き革命のヴァルキュリアなどが記憶に新しい。これらの男性キャラクターが、男性ユーザーからどう見えるかというと、"キモい"の一言だ。女性から見て、男性の前だけ態度を変える、ぶりっ子キャラが受け入れられないのとほぼ同じ理由である。
腐女子(女性)向けの男性キャラは、週刊誌でも数多く見かける。先日コンビニで週刊少年ジャンプを立ち読みして思ったのが、"おもしろくない"だった。銀魂はギリ理解できるとしても、ハイキューやROBOT×LASERBEAM、火ノ丸相撲など、女性が喜ぶ男性キャラが登場するマンガばかりで、男性から見て気持ち悪いのだ。これを男性がカッコイイとか思うなら、それはホモである。
4Gmaer ゲーム専用機の年齢・性別ごとのユーザー構成比より(2016年)
閑話休題。PS4のユーザーは、男性ユーザーが84%を占める(2016年の調査結果)。つまりPS4のユーザーはほぼ男性である。このデータはコーエーテクモのような企業なら当然知っているはずであり、それで、男性ユーザーをないがしろにして、女性向けのキャラクターを優先するとはなにごとか。
市場分析の結果、PS4のユーザーはほぼ男性だと判明したのに、なぜ女性が喜ぶ、いわゆる腐女子キャラを入れたがるのか、まったく理解できない。PS4で、女性が喜ぶ男性キャラを入れる理由を、ぜひ説明してもらいたい。ユーザー層から考えると、とんでもない悪手である。任天堂ゲーム機で、コアゲーマー向けのベヨネッタを出すのと同じくらいひどい。ユーザーが求めているものと全然違うのである。
ぶっちゃけるが私はFF15をやっていない。男性キャラクターがホストみたいで気持ち悪いと思ったからだ。魅力的な女性キャラがパーティにいるなら、もちろんやっていたはずだ。キモいホスト男4人で冒険すると聞いて、無理してやろうとは思わなかった。
同じ理由で、蒼き革命のヴァルキュリアもパスした。女性向けのキャラクターばかりで、受け入れられなかったからだ。つまり、女性向けの男性キャラを入れる事で、PS4の16%の女性ユーザーを獲得して、84%の男性ユーザーを敵に回している事になる。まったくバカげた話だ。
ドラクエ11は、PS4版だけで132万本売れた。ダウンロード版も合わせると、150万はいくだろう。国内ではFF15より売れている事になる。ドラクエ11が成功した理由はいろいろあるが、まず第一に「王道」であることである。
日本のユーザーが求めているのは、ドンパチFPSやeスポーツではなく、FF14のパクリのなんちゃってMMORPGでもなく、ストーリーがおもしろい、安心してあそべる「王道」のRPGだ。それは、去年ペルソナ5がヒットした事からも明らかだ。
ドラクエ11に気持ち悪い、女性がよろこぶホストみたいな男性キャラが多数登場したなら、ユーザーは受け入れただろうか。当然受け入れられないだろう。邪道や奇策にはしるのではなく、ユーザーが安心して遊ぶことができる「王道」のゲームが求められている。
(c)スクウェアエニックス / 株式会社オルカ / アーマープロジェクトスタジオ・バードスタジオ / スギヤマ工房