PSクラシックの収録作品「IQ」のデザイナー佐藤雅彦氏のインタビューがPSブログに掲載されている。そこでプラットフォーム(ゲーム機)の選択について言及があった。
「IQ」を、プラットフォーム(ゲーム機)を問わずに遊べるようになってほしいと思いますか?
佐藤雅彦:
それが難しいところなんです。例えば『ピタゴラスイッチ』はNHK教育テレビで放送しています。あれを民放で放送するとなると、なにか違和感を覚えますよね。プラットフォームにも世界観があります。そこを離れるのは、コンテンツにとっても良くない事だと思うのです。『I.Q』も同じです。ほかのプラットフォームに移植されるのは、僕としては何か不安です。プラットフォームとコンテンツは、一緒に生きていくものです。だからこそ、「プレイステーション」には未来永劫元気でいてほしいですね。
https://www.jp.playstation.com/blog/detail/7897/20181130-psclassic-iq.html
*佐藤雅彦氏は、CMデザイナーとして活躍しており、ピタゴラスイッチやだんご三兄弟などを生み出した。
PS4 / スイッチ マルチ展開はコンテンツをダメにする
最近PS4 / スイッチマルチ展開が増えている。しかしユーザーは、この売り方をまったく評価していない。むしろ逆だ。
メーカー側からすれば、PS4(ソニー)とスイッチ(任天堂)の両方のハードで売れると考えているかもしれないが、この2つのユーザー層は全く異なっている。
異なるユーザー層に売れるなら良いと思うかもしれないが、どのユーザー層に向けて開発しているのか曖昧になってしまう。
PS4ユーザーからすると、スイッチを入れると性能面で足を引っ張られる、スイッチに移植するために開発が遅れると考えている。
しかし両方のハードで売れるから良いやと安易な考えで、PS4 / スイッチのマルチ展開を選ぶメーカーが後を絶たない。
プラットフォーム(ゲーム機)にも世界観(カラー)がある
佐藤雅彦:
それが難しいところなんです。例えば『ピタゴラスイッチ』はNHK教育テレビで放送しています。あれを民放で放送するとなると、なにか違和感を覚えますよね。プラットフォームにも世界観があります。そこを離れるのは、コンテンツにとっても良くないことだと思うのです。
ピタゴラスイッチを民放で放送すると違和感を覚える。という表現はズバリその通りで、例えばPS4にマリオがでる、ソニックがでるとすれば話題になるだろうが、PS4のイメージには合わない。
逆にスイッチで、仁王やダークソウル、ベヨネッタをだしても話題になるだろうが、ユーザー層がマッチしていない。任天堂のゲーム機の"家族向け"のイメージに合っていない。
ゲーム機(プラットフォーム)には、それまで発売されてきたゲームソフトの歴史があり、それを買い支えてきた根強いファンコミュニティがある。それを安易に、別のゲーム機に移動するというのは、コンテンツを潰す事に他ならない。
ゲーム機とソフト(IP)は、一緒に育つもの
佐藤雅彦:
『I.Q』も同じです。ほかのプラットフォームに移植されるのは、僕としては何か不安です。プラットフォームとコンテンツは、一緒に生きていくものです。
例えば、オトメイトがPS Vitaは終わったなどと言い、スイッチに移籍すると発表した。その結果、売上が激減した。
国内の大手メーカーがPS4のタイトルをスイッチに移植するのが流行っているが、1万本以上売れたゲームは片手で数えるくらいしかしない。そこに本当に市場はあるのだろうか。
あるわけがない。いくらスイッチでゲームを出そうとも、買うユーザー(客)がいないのだ。
スマブラやポケモンを買うユーザー(ファミリー層、ライトユーザー)が、「龍が如く」や「閃の軌跡」を買いますか。グランツーリスモSPORTをプレイしたユーザーがニンテンドーラボ(ドライブキット)を買いますか。
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