ブルーアーカイブの霞沢ミユのラブドールが中国で発売されていると聞いて、少し調べてみた。
結論から言うと、ラブドールではなかった。
この人形の正体
この人形を作っているのは、中国の小雪糕工作室(リトルアイスクリームスタジオ)、またはLazydog工作室となっている。サイトによって表記が違うw
発送元を見たら、中国の広州市からの発送となっている。
大きさは、1/4サイズが31cm。1/2サイズが62cm。
4種類販売されていて、
-1/2サイズ、樹脂(プラスチック)ボディ+ポリストーン素材の服タイプ
価格:3680元、前金1500元
-1/2サイズ、本物の服の生地と靴付き(高級版)
価格:3980元、前金1500元
-1/4サイズ、樹脂(プラスチック)ボディ+ポリストーン素材の服タイプ
価格:2180元、前金700元
-1/4サイズ、本物の服の生地と靴付き(高級版)
価格:2380元、前金700元
※3980元は、日本円だと82,600円。2380元は、日本円だと49,000円。
販売サイトより(中国語)
https://s.taobao.com/search?catId=100&from=sea_1_searchbutton&q=小雪糕工作室
※高級版ではシリコン素材に変更可能とか書いてあるが、それだと追加料金が必要だと思うのでよく分からなかったw BiliBili動画の解説には高級版の肌の素材はシリコンだと書いてあったが、それだと通常版との値段の差がほとんどない事が理解できない。
8万円は、150cmのシリコン素材のラブドールを1体買える価格なので、高級版がフルシリコン素材でもおかしくはない。
この人形を買った人の動画
https://www.bilibili.com/video/BV1sN4y1U797/
箱がでかい。ラブドールの箱はこの2倍でかいw
中国のフィギュアの造形技術
人形の髪の毛や目、顔のバランス、服、小物など、中国のフィギュアの造形技術は高い。日本超えてんじゃないの?w
62cmのサイズの人形でこの造形技術、小物も細かいし、服は本物の生地を使っている。肌が本当にシリコンならスキがない。
日本人でもこのサイズのフィギュアを、このクオリティで量産するのは難しいのでは?🤔
フィギュアは日本の得意分野だったのに、また中国に抜かれちゃったね🥺
ラブドールの話
この人形はネット上でラブドールと言われていたが、違った。
62cmなのでトルソー型のラブドールとしてもサイズが足りてない。
せめて2倍の120cm欲しい。120cmでオナホ装着可能なら、バックでできるのでラブドールとして使える。
ラブドールは5年くらい前に中国の安いラブドールが価格破壊を起こして、一般人に普及した。
しかしそこからあまり進化していない。
例えば、この顔の造形が作れるはずなのに、この顔のラブドールのヘッドは販売されていない。
ラブドール用のアニメ調のヘッドは、何か下手くそなマネキンのような顔をしている。
しかし62cmの大型サイズの人形でこれだけかわいい顔や髪型を作れるなら、2倍の大きさの120cmでも作れるはずだ。
120cmサイズでTPE素材(中華ラブドールでよく使われている)のアニメヘッドのラブドールを作れば、需要があるはず。
ヘッドを着脱可能にして、人気アニメキャラクターのヘッドのみ3万円で販売すれば良い。
しかし実際には売られていない。いまだラブドール業界は、初音ミクやマリーローズすら再現できていない。
しかし↑の画像や動画を見る限り、人形の造形技術自体はあるように見える。
フィギュアやラブドールは、3DやCGと関係が深い
フィギュア?ラブドール?興味ねーよ!って人もいるだろう。
しかしフィギュアやラブドールのモデル設計には、3Dソフト(Zbrushなど)を使う。
良いフィギュアやラブドールは、良い3Dモデルで作られており、3Dモデルはデータなので再利用できる。3Dアニメーションも作れる。
例えば、Vtuberの3Dモデルがあれば、Zbrushでポーズを変更して、3Dプリンターでフィギュア成形ができる。
これらは全て密接に関わっており、フィギュア(笑)ラブドール(笑)という人でも、MMDや3Dアニメに興味があるなら同じ分野なのだ。
中国がこのレベルのフィギュアを作れるという事は、中国には優秀な3Dモデルクリエイターがいて、その3Dモデルを使って62cmの大型フィギュアを量産できるスタッフがいるという事だ。
当然、↑の霞沢ミユの3Dモデルが存在するので、それを使ってポーズを変えて別のフィギュアを作ったり、3Dアニメーションを作る事ができる。
今だCGアニメをバカにする時代遅れの日本人
日本人は、3Dアニメをバカにする風潮がある。
これは海外と逆行している。
私は海外在住だが、海外では3Dアニメが主流だ。日本みたいに3Dアニメだからと言ってバカにせず、トルコやブラジルなどでは日本でも通用するほどの3Dアニメが作られている。
日本で3Dアニメは人気がないが、それは日本にまともな3Dアニメがないからであって、アニメ業界は今後必ず3Dに移行する時が来る。
3Dアニメなら、キャラクターなどの3Dモデルを再利用できるし、ライティングやLUTも再利用できる。
CGクリエイターとして技術が身につくので、転職する時に3Dモデラーやゲーム系の3Dアニメーターなど、他の仕事に活かせる。
アニメーターはそうはいかない。
今後AIが発展してくれば、3Dモデルとモーションキャプチャーを合成して、少人数でアニメーションが作れるようになる。
先程言ったが、3Dアニメは3Dモデルだけでなく、アセットや設定、ライティングなどもすべて再利用できるので、一度優秀なスタッフが3Dアニメを作れば、そのテクニック(設定、ライティング)を使って再利用して、別の高品質なアニメーションを作れる。
(例えば、3Dアニメのけものフレンズ騒動では、角川が1期スタッフに3Dモデルなどのデータを渡せと迫ったと言われている。)
日本だけだ、今だに手書きにこだわっているのは。
時代遅れと言わざるを得ない。オールドタイプ、古い~地球人よー♪
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