https://twitter.com/FIREBIRD_1090/status/1093515284789354496
Winny を開発した金子勇氏が京都府警に無実の罪で逮捕されて、心臓の病で死亡してから5年が経つ。
ファイル共有ソフトWinnyは、2002年、東京大学大学院に務めていたプログラマーの金子勇氏が、2ちゃんねる掲示板で、スレの住人(一般人)に公開し、試行錯誤しながら作り上げたフリーソフトだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/金子勇_(プログラマー)
P2P技術を利用して世界中のユーザーと高速でやり取りができるWinnyは、2002年当時、画期的なソフトウェアで、世界中の多くのユーザーが利用し、
現在もBitTorrent、Share、仮想通貨ビットコインなどに、その技術が受け継がれている。
金子勇は、ハッキリ言って天才プログラマーだった。
しかし急転直下、金子勇氏は、2004年5/9、京都府警により「著作権法違反幇助」の罪で逮捕された。
2004年3/29には、京都府警の警察署のWinnyから、捜査資料が流出しており、メンツを潰された警察が腹いせに逮捕したのではないかと言われている(当時、京都府警はWinny利用者を逮捕しており、その京都府警がWinnyを使用している事が分かった)。
警察は、金子勇氏の勤務先である東京大学や自宅を家宅捜索し、パソコンやWinnyのソースコードなどを押収した。
逮捕当時の京都府警の捜査幹部の発言
事件を手がけた京都府警の捜査幹部は、
「Winnyの匿名性は完全に暴かれたといっていい。今後、Winnyの仕組みを使ってファイル交換を行なえば、いつでも警察に摘発される状態になるということだ」と誇らしげに胸を張った。
警察によると、金子勇氏は、「Winnyを開発した事が罪」だとされた(著作権法違反幇助)。
例えるなら、YOUTUBEに違法動画がアップロードされて、その罪で、YOUTUBEの開発者を逮捕するようなもの。
2006年12/13。京都地方裁判所は、警察(検察)の主張を認めて、金子勇氏に「有罪」判決(罰金150万円)を下した。
京都地方検察庁は、罰金刑は刑が軽すぎるとして、控訴した。
2009年10/8。大阪高裁で、金子勇氏は、逆転「無罪」になる。大阪高等検察庁は、判決を不服として最高裁判所に上告する。
20011年12/20。最高裁判所は、検察の上告を棄却し、金子勇氏の「無罪」が確定した。
2013年7/6。長い裁判生活の影響もあってか、急性心筋梗塞で金子勇氏は、42才という若さで死去した。
WinnyやP2P技術は、警察やマスコミにより「悪のソフトウェア(技術)」として誤った報道をされ、
日本人が2004年に世界に先駆けて開発した、画期的なP2Pソフトウェア「Winny」は、悪名を被せられたまま消えていった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Winny事件
Winny、漫画村 の開発者を逮捕して才能をつぶす日本
漫画村事件
まとめサイト「やらおん!」の運営をしていた過去も…「漫画村」星野ロミ容疑者拘束で、他の管理人が”芋づる式”の展開も? - AbemaTIMES https://t.co/SmpbUwUy5u 2016年1月から昨年4月までの間に7万冊以上の漫画を無料で公開していた海賊版サイト『漫画村』。その運営者の1人、星野ロミ容疑者が… pic.twitter.com/4F63CY0bsQ
— Gnews (@Gnews__) July 10, 2019
若者たちの間で一躍ヒットした人気サイト「漫画村」は、閉鎖された今でも検索すると、「漫画村 代わり」「漫画村 後継」などという単語がヒットするほど、根強い人気を持つ。
この人気サイト「漫画村」は、画期的なサイトで、画像の読み込みが早く、非常に優れたUI、見やすいレイアウト、スマホでも使いやすいとても優れた漫画ビューアサイトだった。
ハッキリ言って、今ネット上にある漫画が読めるサイトは使いにくい。読める漫画はバラバラで、ユーザーの事を考えていない。「漫画村」はその点、とても優れていた。だから人気があったのだ。
警察は、漫画村の影響で3000億円の被害がでたと主張し、漫画村の運営者の星野ロミ氏を、フィリピンで身柄を拘束し、日本に強制送還して、空港で「著作権法違反」の疑いで逮捕した。
漫画村の運営者、星野ロミ氏の経歴
星野ロミ、28才
1992年:イスラエルで生まれる。両親は、日本人とドイツ人。
2009年:キジダス開設
2010年:楽々アンテナ、まとめいと、関係ないにゅーす開設、アダルトシティを乗っ取る
2011年:やらおんの元サイト「今日もやられやく」を乗っ取る。動画配信サイト"メイト"開設
2012年:ソオミネイト(アンテナサイト)、動画配信サイトYouFlix開設
2013年:情報商材サイト"インフォオフ"開設
2014年:DropBooks、ShareMovie開設
2015年:ShareVideos、AnimeLeaks開設
2016年:メイドカフェDiamaid開店、テレビ配信のSmaTV、HimaTube、フリーブックス(漫画村の元サイト)開設
2017年:フリーブックス→「漫画村」に移転、DropBooks→DLBOOKSに移転
2018年:DIGITAL-MARKET(DMM.to)、漫画販売のYouBook開設。アニポ、アンテナ速報乗っ取り
2019年:漫画村クローンサイト「星のロミ」開設、フィリピンで逮捕
すごい優秀。28才でこれだけの有名サイトを設立している。
星野ロミ氏は、漫画村以外にも、DropBooksやShareVideoなど、日本人ならよく知ってるサイトの運営者だった。
怪しいサイトも多いが、日本のインターネットのプラットフォームに果たした役割は大きい。
このような天才を、犯罪者として扱う方がおかしい。
海外では、優秀な技術者は、CIAや有名企業にヘッドハンティングされる。犯罪を犯していたとしても、「司法取引」で警察の捜査に協力すると、罪が軽くなる制度がある。
ジョージホッツ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョージ・ホッツ
ジョージ・ホッツは、iPhoneやプレイステーション3のハッキングをし、ソニーに訴えられた人物、
しかしアメリカでは彼の技術力が評価されて、Facebook社やGoogle社に採用された。
ヘクター・ザビエル
ヘクター・ザビエルは、複数の企業や国家にハッキングをくり返していた人物、
求刑は21~26年の重罪だったが、FBIと司法取引し、捜査に協力する事で、刑務所に収監される事なく釈放された。
https://www.gizmodo.jp/2014/05/lulzsec_5.html
日本では、一度犯罪を犯した人物は、「人間ではない」扱いを受けるが、
海外では、一度犯罪を犯した人物でも、罪を償えば、チャンスをもらえる。
技術があれば、犯罪者でも有名企業やFBIにヘッドハンティングされる。
漫画村は違法だったのか?
漫画村のサーバーは、ウクライナにサーバーがあり、スウェーデンのプロバイダーを使用していた。
日本の法律(著作権法違反)は適用されない。
しかし今回「漫画村」の運営者を逮捕するために、警察はウルトラCを使っており、
漫画村が使用していたCDNサービス「CloudFlare」がアメリカにあるので、サーバーはウクライナだが、アメリカに"キャシュファイル"があるので、逮捕したとしている。
漫画村の運営者である星野ロミ氏の裁判はまだ係争中で、そうとうもめる事が予想される。
警察の主張が認められると、PCの「キャッシュが証拠」になる。
つまり児童ポルノなども、拡大解釈で、見ただけで「キャシュファイル(履歴)」で逮捕されかねない。
漫画村の運営者を逮捕するために、弁護士・検察が手を組んで、なんとしても逮捕しようと、訴訟をくり返す
米国のサーバ提供会社の通信データから漫画村の運営者情報を特定し、刑事手続も進めていた中島博之弁護士に聞いた。
「確かに、彼らが契約していたと思われるサーバはウクライナにありました。
遠方かつ法制度も異なるため、日本からの情報開示請求もままなりません。だから漫画村は摘発対象にならないだろうと考えていたのかもしれませんが、集客のために契約していたアメリカのサービスによって、その言い訳はさらに成立しなくなります。
漫画村は、大量アクセスを適切に処理してサイトを閲覧しやすくするために、アメリカのサーバ提供会社CloudFlareを利用していました。そのため、実際に閲覧者がアクセスするのは、ウクライナにあると思われるサーバではなく、アメリカの会社が所有するサーバです。そして、アメリカの会社のサーバ上には漫画データのキャッシュ(履歴ファイル)が作成されます。日本と相互保障の協定があるアメリカで違法な海賊版データが残されれば、著作権侵害事案としての十分な証拠となります。
このアメリカのサーバの利用状況については、漫画家のたまきちひろ先生が原告となり、私が原告代理人となった民事裁判の過程で入手していました。ここですぐ当事者と争うのではなく、漫画村問題については、まずは刑事手続からの責任追及が必要だと考えていましたので、入手していた通信ログなどを日本の捜査当局に提供して協力しながらすすめることとし、告訴手続も行いました。
つまり中島博之弁護士が、まず民事裁判で星野ロミ氏を訴えて、その裁判の過程で手に入れた情報を、警察に横流しして、その情報をもとに、警察は捜査を行ったとしている。
つまり本来「刑事裁判」で起訴できない罪を、「民事裁判」を絡めて、強引に起訴したのだ。
この事件は、現在行われている「誹謗中傷の法規制(ネット検閲)」の問題とも深く関わっている
この漫画村事件で、民事裁判→刑事裁判と中心的な役割を果たした"中島博之"弁護士(上の動画に出演している)は、こんな事を言っている。
現在、プロバイダ責任制限法にのっとった発信者情報開示で対象になるのは、氏名、住所、メールアドレス、IPアドレスなどです。ところがここに、「電話番号」は含まれていません。現在のネットサービスへの登録は、残念ながら、氏名をはじめ様々な項目を架空のものにして身元を隠すことができます。ところが、多くのサービスで導入されている二段階認証ではSMSを受け取るため、「電話番号」だけは本物が必要です。この法改正は喫緊の課題です。
この主張、どこかで見た事ないだろうか。
SNS上のひぼう中傷 投稿した人物の電話番号 開示対象に 総務相 #nhk_news https://t.co/wpMOL2U9Cg
— NHKニュース (@nhk_news) August 7, 2020
2020年8/7に、国会で議論されないまま、罰則つきの省令(実際は法律と変わらない)として、8月中に施行される、
「SNS(インターネット)上での誹謗中傷した人物の電話番号開示」。
漫画村裁判で中心的な役割を果たした、"中島博之"弁護士の主張とまったく同じだ。
つまり今「誹謗中傷を法規制」は、実際は漫画村事件で起訴が難しかったので「警察が逮捕しやすいように、裁判で訴えるための"電話番号"を開示させる」のが目的の、法改正だと思われる。
政府は、そのような憲法21条「表現の自由」に関わる、法律の改正を、国会でまったく議論しないまま、8月に検討して、8月中に施行するとしている。
この悪法がこのまま通れば、これまで以上に、Winny開発者や漫画村開発者のように、"無実の罪"で、警察に逮捕される被害者が増えるだろう。
漫画村をつぶすのではなく、漫画村の運営者と取引して、漫画村の運営権を手に入れて、
複数の出版社が協力して、漫画村を運営して、その利益を漫画家に提供すれば良かった。
漫画村ほどの人気サイトを「出る杭をつぶして」、サイト運営者を見せしめで強引に逮捕して、
漫画村で漫画を読んでいた、それまで漫画を読んでいなかった若者たちから、再度"マンガ"を取り上げて、
いったい何の意味があるのか。
Winnyも漫画村も非常に優れたサイトだった。
2ちゃんねるとニコニコ動画は同じ開発者
2ちゃんねるも同じで、開発者のひろゆき氏は、ニコニコ動画の開発にも関わっている。
優秀なクリエイターなのに、あまりに評価が低く、
ひろゆき氏は、2ちゃんねるを乗っ取られて「5ちゃんねる」となりアメリカ人が運営している。
ニコニコ動画もひろゆき氏が開発したのに、ひろゆき氏は追い出されて、創価学会の役員が入り込み、政治関係の動画が大量に投稿されはじめ、ランキングが操作され、自由な動画制作ができなくなり、YOUTUBEに抜かれた。
2ちゃんねるは、4chとして、海外でも受け継がれている。日本を代表する大型掲示板だ。
それなのにクリエイターに対する評価が、あまりにも低い。
https://ch.nicovideo.jp/hiroyuki/blomaga/ar66576 (ひろゆき氏のニコニコ動画への苦言)
(c)