2021年2/14。dアニメで配信中の「アルプスの少女ハイジ」と「フランダースの犬」を観た。
ハイジの方はものすごくよく出来ており、大人の私から見ても、脚本や世界観、美術、音楽ともに優れた名作だと思う。
それもそのはずで、ハイジは総監督:高畑勲、キャラデザ:宮崎駿、アニメで始めて海外に現地調査に行くなど、かなり気合の入った作品だった。
ハイジが大人気のまま終了したその翌年に放送されたのが、「フランダースの犬」(1975年1月~)だ。
ハイジが、【救いのある話】【本当に悪い人はいない】【大人も子供も楽しめる作品】として昇華されていたのに対し、
フランダースの犬は、終始【悲しいBGM】が流れ、ネロ(15才)は仕事もせず、毎日村一番の金持ちの娘アロアとイチャイチャし、貧乏なのに大型犬を拾ってきて飼い始め、その犬も特に仕事はしない、ネロは絵画趣味にハマり生活費を画用紙やエンピツを買うのに浪費する。
(毎日仕事もせず、アロアとお絵描きして遊ぶ貧乏人のネロくん。いつもアロアを夜遅くまで連れ出して父親を怒らせていた)
ネロのおじいさんがしんだ時は、近くに住んでいた木こりのミシェルおじさん(ネロをかわいがっていた)が、「ネロを引き取る」と言ったのに、ネロは「僕は絵を描きたいから無理!」などと訳分からん事を言って断る。
その後もアロア(12才)の家に昼も夜も通って、アロアの父親で村一番の金持ちコゼツは、「あいつは貧乏なのに、なんで絵なんか描いてるんだ?」と敬遠される。
その後、風車小屋が燃える事件があったが、実は誰もネロが風車小屋を燃やしたとは疑っておらず、むしろ夜にアロアと会っていた事がバレてそちらの方でコゼツに怒られて、村で孤立してしんでいった。
【2021年感想】フランダースの犬 は、かわいそうじゃない
感想
(かわいい12才のガールフレンドと毎日イチャつく15才無職の画家志望のネロくん)
まあ子供なのでかわいそうだとは思うが、
ハイジのペータは、11才でヤギ飼いの仕事をして、目の見えないおばあちゃんがいる家計を助けていた。
それに比べると、ネロはお絵かきの趣味を続けるために、木こりが引き取るという話を断って、勝手に自爆したように見える。
ネロはおじいさんがしぬまでは(アニメ終盤)、毎日アロアと遊んで趣味のお絵かきをしていた。
木こりのミシェルおじさんの家でアルバイトをして、家の生活費には1円も入れずに、夜の町に走って行き、画材道具を買っていた。
こいつ何してんの?🤔って思った。
現代っ子なら分かるが、当時食べるものにも困っていたのに、なぜ画用紙ではなく"パン"を買わなかったのか。
そのへんがちょっと理解できないし、
そもそもパトラッシュを拾った経緯がよく分からない。
パトラッシュはもともと金物屋の飼い犬で虐待されていて、それを正義感あふれるヒマ人のネロが怒って、
パトラッシュがたおれて土手に捨てられたのを目ざとく見つけて家に連れて帰り、勝手に自分の犬として飼い始めた。
それが原因で金物屋ともめて、おどされ続ける事になる(原作にはなかったアニメ版オリジナルストーリー)。
自分たちの食うものにも困っていたのに、大型犬を引き取って飼い始める?
しかも全然関係ない同じ村の金物屋の犬を勝手に飼って、村で連れ歩く。
もめるに決まってんじゃんw
「子供だからそういう事情が分からない」と言われるとその通りだが、
ネロに同情できるか、パトラッシュを養う経済的余裕があったのか、金物屋とパトラッシュを再会させたらもめるって分からなかったのか、
って思う。
制作に関わった宮崎駿はフランダースの犬を「視聴率的には成功したが、僕はゴミみたいな作品だと思う」と評した。
なんとなく分かる気がする。
終始悲しいBGMが流れて、お涙頂戴が透けて見える。
ハイジは悲しいエピソードがあっても必ず【救い】のある展開にして、視聴者を不快な気持ちにさせないようにしていた。
しかしフランダースの犬は、真逆だ。「ネロかわいそうでしょ?ほら泣けよ」みたいな感じ。
全然かわいそうじゃないと思うw
自分の絵画趣味のために、木こりが引き取るって言ってるのに断って、生活費を画材道具の購入に費やして、飯も食わずに絵を描き続けてコンクールに応募して、しんでいった。
あほやろw
フランダースの犬が成功したのは、その前に放送された「アルプスの少女ハイジ」の評価が高かったからだ。
偉大なハイジと比べると、確かに「ゴミみたいな作品」だと思う。
ハイジ(8才)は、おばあさんに白パンを食べさせるために、だまされて遠く離れたフランクフルトに連れて行かれ、クララに同情して本当はスイスの山に帰りたいのに、夢遊病になるまでこき使われ最後は廃人になって、ドクターストップがかかり病気になって山に返される。しかも1円も報酬はなし。
ハイジの方がよっぽどかわいそうだと思った。
(山に帰りたいあまり、夢遊病になって深夜無意識に屋敷中を歩き回るようになったハイジ。こわれる寸前だった。アニメ33話「ゆうれい騒動」より)
ハイジ名作だから、絶対見た方がいい。過小評価過ぎる。
海外では、ハイジの方がはるかに評価が高い。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルプスの少女ハイジ_(アニメ)
(c)日本アニメーション