FF7リメイク公式攻略本アルティマニア開発者インタビューより
パート4:クラウドは大人のようにクールに振る舞うが失敗する
ーFF7リメイクは、エアリスのセリフが印象的です。
FF7リメイクストーリー&シナリオ担当、野島一成氏:
FF7リメイク版では、エアリスがいちばん重要な人物なので、セリフには気を使いました。
エアリスのセリフ1つ1つに、大きな意味があります。
ー14章のお花畑シーンで、エアリスがクラウドに「好きにならないで」「恋をしたとしても、それは現実ではない」と言います。
野島一成:このシーンは、スタッフから「エアリスがクラウドを見下しているように見える」と言われて、何回かボツにしました。
エアリスの運命を知ってる原作ファンなら、このセリフは琴線に触れると思いますが、リメイク版からでエアリスが死ぬ事を知らないプレイヤーは、まったく違う解釈をしてしまうかもしれません。
この2つの解釈のギャップがとても面白いと思いました。
もう1つ、クラウドとティファの花畑の抱擁シーンは、クラウドがカッコよく見えないようにしました。
クラウド(21才)とティファ(20才)は、年齢が近いとは言え、5年間会っておらず、クラウドは大人の男としての経験がない。クラウドは、5年間魔晄漬けされていたので、精神年齢は16才。だから背伸びして、大人になろうとしている。
13章の冒頭で、バレットがティファを抱きしめている時に、それを見ていたクラウドは同じようにしたいと思っていたんです。
しかし14章の花畑のシーンでは、クラウドはうまくティファを抱きしめる事ができませんでした。
クラウドは相手によって、話し方がちがう
FF7リメイクディレクター、野村哲也氏:
クラウドの声を収録する時には、相手の女性によって話し方を変えてもらいました。
例えば、クラウドxエアリスでは、クラウドはクールに、自意識過剰で変な返事をする。
クラウドxティファでは、クラウドは心を許して話す。
クラウドxジェシーでは、クラウドは困ったように話す。
野島一成:クラウドはエアリスとくっつかないんですよね(笑)。クラウドは、ジェシーにかなり焦っているようですが、ジェシーはクラウドの事を、面白がってバカにしています。
FF7リメイク公式「クラウドとエアリスはくっつかない」
エアリスのナゾ
ーエアリスは、なぜ未来を知っているの?
野村哲也:どうしてかな?その答えは、次回作までお待ち下さい。
ーミッドガル・ハイウェイでエアリスが「ここが運命の分かれ道」と言います。
野島一成:クラウドたちが「運命の壁」を通過したら、運命の壁を超える事になり、運命のない場所に行く事になります。
ーエンディングでエアリスが「空、嫌いだな」(英語版:I miss it. The steel sky.直訳:なつかしいですね、鋼の空)と言います。
野村哲也:エアリスにとって、空は悲しみの象徴なんです。ザックスや母親のイファルナなど、エアリスの大事な人がみんな空に戻ってしまい、スラム街でエアリスが見る空も、ミッドガルシティの鋼のプレートにおおわれています。
古代種(セトラ)を滅ぼしたジェノヴァも空から降ってきた。これらの出来事は、すべて「空」を想起させる。だからエアリスは、空が嫌いと言うのです。
ーゲームの最後に「未知の旅は続く」英文:The Unknown Journey Will Continueと表示されます。
野村哲也:当初は別の文章を入れる予定だった。プロデューサーの北瀬佳範氏に「続編につながる文章にして」と言われたので、あの文章にしました。
文章の意味を不安に思う人もいると思いますが、それは覚悟してます。
ソース: FF7リメイク公式攻略本アルティマニア開発者インタビューより
パート7「何部作になるか分からない。続編は2年以上先になる」
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